加齢によって起こる身体的な変化として、耳が遠くなることがよく知られています。難聴にはさまざまな原因がありますが、加齢に伴って内耳に変化が起こる老人性難聴は多くの人が経験する症状です。
老人性難聴は音を聞き取りづらくなるのが共通点で、特に高音部から音が聞こえなくなっていく傾向があります。両方の耳で同じくらいのペースで進行することが知られていて、一般的には20歳前後を節目としてだんだんと老人性難聴が進行していきます。
老人性という名称から高齢者の症状で、若いうちには発症しないと思われがちです。しかし、実際には40代くらいの人でも日常的な会話を聞き取ることが困難になり、補聴器を使用して生活をしているケースもあるのです。
老人性難聴は進行性なので、何も対処せずにいるとだんだんと聞き取りづらくなります。一般的に女性よりも男性の方が症状が重く、日常的な会話に支障をきたすようになりがちです。
また、大きな音や振動によって進行しやすくなるという見解や、ヘッドホンやイヤホンを使って大音量で音楽を聴く習慣があると進行しやすいという意見もあります。
老人性難聴が進行すると、人の言っていることが分からなくなり、推察で考えてしまいがちです。コミュニケーション不足になる傾向が強く、人によっては会話をするのが億劫になってしまいます。
できるだけ早い段階で老人性難聴により聞き取りづらくなっていることを自覚し、補聴器でよく聞こえるようにするのが効果的な対策と考えられています。