老人性難聴は、高齢者の多くがかかる病気として知られています。高齢になると高い周波数が聞こえにくくなり、電話の呼び出し音や体温計の音をはじめ、人の話し声が聞き取りづらくなることで気づくことも多いです。

若い女性の高い声などは何度も聞き返さないと理解できないなど、日常会話がスムーズにできなくなることも少なくありません。進行すると、さらに早口で話している人の話が聞き取りづらくなることもあります。

ほかにも、イントネーションによる違いを理解できなくなってしまう人も多いです。ただし、大きな声はうるさく感じてしまうため、対応には十分な注意が必要になります。

高齢者に聞き取りづらい音とされるのは、カ行・サ行・タ行・そしてパ行です。老人性難聴で人の名前や約束をした日時が聞き取りづらくなることもあるため、介護する上で高齢者が理解できるようにゆっくりはっきり話しかけることを心がけてください。

特に聞き取りづらい音となるカ行・サ行・タ行・パ行を明確に区別できるよう大きな声で伝えるようにしましょう。聞き取りにくい言葉を分かりやすく言い換えることも必要です。

例えば、訪問時間を伝えるときに「午後1時に来ます」と伝えるのではなく、「13時に来ます」といった形で、聞き取りやすい音がたくさん含まれている言い方に変えると、高齢者に不安を与えずに伝えることができます。

高い声の女性はゆっくり、普段出している声よりもワントーン低めの声を心がけると、高齢者に伝わりやすくなるでしょう。こうした対応の仕方は、介護の仕事上でも役立つ知識です。